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「でも、たまには衝動的になってもいいんじゃね?」
「…………」
それなのに……。
「そんなことで見限られたくないよ」
「衝動あっての恋愛だろ? さらけだしてみれば? 襲うくらいの勢いで」
腕組みをしながらケタケタ笑う伊崎。
衝動的になっていい、なんて簡単に言うなよ。
お前にさらけだせないから、このザマなんだろうが。
そうぶちまけたい気持ちを噛み殺し、
「大人になったんだから、そんなヘマはしない」
と震える唇を隠すように、口を拭った。
伊崎は「そーかよ」と言いながらつまらなさそうに伸びをし、喉の奥が見えるほどのでかい欠伸をした。
いよいよ帰る雰囲気を出して、「さてと」と横を向く。
「ん?」
けれども、棚に置いてあった何かに気付き、手に取った。
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