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「はい、いつもの」
金曜の午後3時、仕事の合間に病院を訪れていた俺は、隣接する調剤薬局の窓口で、深水(ふかみ)から薬の袋を受け取る。
「ハ、お決まりのカクテルでも頼んだみたいな言い方だな」
「アハハハー、伊崎ったら面白い面白い」
棒読みで乾いた笑い声を上げているこの男は、同郷の幼馴染だ。
保育園から高校まで一緒で、大学でそれぞれ別れた後、たいして所縁もないこの土地で二人とも偶然就職が決まった。
つまり、生涯で物覚えがついてから約4年間しか離れていないド腐れ縁だ。
「眠れないんでちゅねー、あいかわらず」
「繊細な患者様にそんなことダイレクトに言っていいんですかね? 薬剤師さん」
「あらー、すみませんねぇ、課長さん」
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