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「そ……そうですけど」
「ほら。社長からのプレッシャーもあるだろうに、真面目に前向きに頑張ってて偉いよ、ホント。ていうか、社長の息子っていうフィルター抜きにしても、ちゃんと学ぼうとしてる姿勢は伝わってきてるし」
そこまで言うと、柿本くんは無言になって俯いた。
「え?」
そして片目から小さな水滴を一粒落とし、「やべっ」と言って指で目をこすって誤魔化している。
……マジか。
「すみません、なんか気が緩んじゃって。あの、僕、片桐さんに憧れてて、それでそんなことを言ってもらえたもんだから、あの、なんか……すみません」
「いえいえ」
なんだ、コイツ。可愛い。
ていうか、気を張っていたのだろう。
社長の息子だし、期待に応えられるように早く一人前にならなきゃって。
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