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でかい枕を抱いて、目を逸らしながらしょうもない理由を羅列して、そんなんで納得させられるとでも思っているのか。
「なんでだか……伊崎と寝ると熟睡できるんだよ」
モゴモゴとそう言い、枕に顔をうずめんばかりに照れて訴える稜。
なんなんだ、このイケメン乙女は。
俺は頭を押さえて壁に寄り掛かり、盛大なため息をつく。
そして、ぼそりと、
「……同じだからタチ悪ぃ」
と呟いた。
「え?」
「好きにしろ」
手を伸ばして鍵をかけ、部屋へと踵を返す。
利害一致の隣人は、
「ほら、エアコン代の節約にもなるしさ。なんなら電気代算出して、折半してもいいし」
と、わけのわからん言い訳をまだ続けながら、後ろからついてくる。
寝室の扉を開けた俺は、
「いいから、寝るぞ」
と言って、稜を中へと押し込んだ。
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