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「これからも、遠慮なくしごいてください。片桐さん優しいから強く言わないですけど、全然かまいませんので。みんなから親しまれて頼りにされてる片桐さんみたいになりたいんです」
ピュアで、でも強い意志を持った眼差しでしっかりと言われたものだから、思わずキュンとしてしまい、「……う」とたじろぐ。
あれ? 胸に矢が刺さったかもしれない。
「わかった。けど、こそばゆいから、あんまり褒めなくていいよ」
「片桐さんも照れることあるんですね」
「そりゃあ」
「そんなところも素敵です」
褒め殺しだ。
“素敵”だなんて聞きなれない言葉をそんな朗らかな顔で言われて、嬉しくないはずがない。
「そ、それじゃあ、無理せず頑張っていこうね、お互い。それじゃ……」
私はぎゅっと部長の湯呑みを握りしめ、給湯室へと足を進めようとする。
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