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「泣くなって」
「だって、穂乃ちゃんが605でエッチしてたらと思うと」
「いやー、あの少年はなんだかんだで段階踏むんじゃね?」
「若さは理性を裏切る」
「まー言えてるな。ハタチ前後はサルだから……って、いてっ! 叩くなよ。自分から言っといて。あーあー、無様な顔」
「ほっとけ」
「なんなら、ふたつ隣の部屋に聞こえるほど声出せば?」
「アホか」
そう言うと、伊崎は口角を吊り上げ、穂乃ちゃんとでは到底想像もできないような荒いキスをした。
煙草と酒の味がねじりこまれ、口内に入ってくる。
「俺を穂乃ちゃんだと思っていいぞ」
「思えるかよ、こんな重たいオヤジ」
太いその腕に噛みついてやろうかと、伊崎を思いきり睨む。
「仕方ねーな。じゃあ今日だけは攻守交替してやるから、上乗れ」
「今日だけは、って次があるわけ?」
「隣室のよしみだろ」
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