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「平橋が応対したというのに、なぜこのようなことになるんだ?」
社長はよほど恥をかいたのか、眉間を歪ませて睨んでくる。
この人は、私のことをスーパーマンだとでも思っているのだろうか。
それに、ここ数日、そのような電話が回ってきた記憶がない。
「社長、私は……」
「言い訳をするな。それに、お前には思うところがある。ほら、今もだが、表情が険しすぎる」
は? 怒られているのに笑えと?
顔には出さないものの、握りこぶしに力が入る。
「おそらく、それが電話応対にも表れているのだろう。でなければ、そんなクレームは発生しないはずだ。大目に見ていたが、ここ最近とくにひどい。多田を見習え。あいつは、どんなに忙しかろうと笑顔を絶やさず、周囲への気配りを欠かさないだろう」
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