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「……私も、甘やかされている実感があります」
善さんの手や、声や、言動や、その存在自体に癒されて心地よさを感じます。
そう言いたいけれど気恥ずかしくてそれだけ言うと、善さんが頭上でふっと息を吐いた。
笑ったのかもしれない。
「もう、暗い部屋でキャンドルに囲まれ、大の字で寝転ぶようなことはしないか?」
「それはもう忘れてください」
ぽすんと善さんの胸を打つと、その手を握られてゆっくりと口付けされる。
いろんな出会いや別れがあったり、いろんな出来事が起きたり、逆に期待どおりには起らなかったり。
ストレスを溜めないようにとわかっていても、そんなことは生きている限り到底無理な話で。
社会や世間や常識をなぞらなくてはいけないことも多いし、遠慮や我慢や作り笑顔は標準装備の毎日だ。
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