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「美大卒業と同時に家出して、逃げ回ってこのマンションの植え込みあたりでうずくまっていたところを、善ちゃんに助けてもらったんです……て、すみません、こんな身の上話までして」
「……いえ」
宮間さんを再度しっかりと見る。
反省しているような申し訳ないような表情で、眉を下げて微笑んでいる。
意志を通そうとするのと、流されやすいのが同居している感じだ。
悪く言えば、この向こう見ずな子どもっぽさが頼りなさやあどけなさとして目に映り、下手に美人なことも手伝って、周りが放っておけなくなるのだろう。
「それから善ちゃんがいろいろと面倒見てくれて、お互い美術系の仕事を目指しているということでも意気投合して仲良くなって。本当によくしてくれました」
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