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「よく見ろ、結月。お前が今、感じているのは、『男』に抱かれているからではなく、『俺』に抱かれているからだろう?」
「っ!」
「何も謝る事はない。感じるのなら、素直に感じておけ」
「……ふっ」
どうしてこんなにも、優しく救い上げてくれるのだろう。
もっと、強く責めてくれてもいいのに、仁志は結月の心を丸ごと包み込んでしまう。
愛おしくて、愛おしくて、数え切れない程の『好き』が結月の劣等感を押し込んで、ただ仁志への想いに涙が溢れる。
「……っ、好き」
「……俺もだ。何よりもお前が大切だ、結月」
宥めるようなキスが、ホワリと心を温かくする。
不意に、仁志の腰が揺らめいた。感覚に結月が小さく喘ぐと、仁志は妖しげに双眸を細め、ニヤリと口角を上げた。
「それとな、結月。覚えておけ」
「んっ……な、なに?」
「ベッドの上で、過去の話はマナー違反だ。妬かせるだけだからな。……せいぜい後悔しろ」
「ッんあ!?」
一気に激しさを取り戻した腰が、容赦なく結月の奥を攻め立てる。
考える隙など微塵も与えない動きに、結月はただ、閉じれない口で感じるままに啼いた。
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