419人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「……人が必死で耐えていれば、なんなんだお前は」
「しょうがないじゃん。おれ、エスパーじゃないもん。……だからさ」
結月は頬に軽く口づけ、強請るように腰を押し付けた。
「おま」
「いいじゃん、してよ。……あんたがおれにメロメロなのは、よくわかってるから。それに」
仁志の頬を包んで、結月は額を合わせる。
「……欲しくてたまんない。そんなにおれを抱くのは、イヤ?」
「……ったく、わかってて言ってるんだろ」
「とーぜん」
得意気に笑んで見せた結月に仁志はチュッと口付け、今度は躊躇いもなく結月の服へと手をかけ脱がし始める。
本音から言えば、少しだけ怖かった。
いくら気にしないと言われていても、やはり、抱かせるのは『使い』過ぎた身体なのだという事実に、未だ罪悪感は拭えない。
それでもそれを口にしてしまえば仁志を困らせるだけだと、結月は意識的に言葉を飲み込んだ。
奪ってくれるというのだ。素直に、感じたい。
最初のコメントを投稿しよう!