やめます

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 人類滅亡開始3日前でも人間たちは変わりません。  築ウン十年のぼろアパートのインターホンを鳴らすとジャージ姿の髪をぼさぼさにした20代前半女子が現れました。 「おはようございます。宗教法人ひまわりの古澤ミカコと申します。宗教に興味はございませんか。ただいま人類滅亡三日前を迎えておりまして、」  私がすべてのセリフを言い終わる前にがたんと音を立てて扉が閉じてしまいました。  めげずに扉をこじ開けます。 「すいません。せめて話だけでも。お願いします。安藤未華子様」  安藤未華子は目をむいて私を見ました。そして叫びます。 「なんで私の名前を知っているの!」 「そりゃあ宗教法人ひまわりですから」 「どこから個人情報が漏れたの!」 「そりゃあ宗教法人ひまわりですから」 「わけわかんないよ・・・」  安藤未華子は息を吐くと私に質問をしました。 「あなた女?それとも男?」 「男ということになっています」 「・・・名前ミカコってなんで?」 「ミカコってきれいな名前だと思って。自分でつけたんですよ」  私は古澤ミカコという名前が好きなので得意になって言いました。  安藤未華子はまた扉を閉じようとしましたが私に阻止されました。 「改めて言いますが、人類滅亡三日前となっています。安藤未華子様はおよそ3年間、おひとりでプーテン族をやっておられますよね?人類滅亡計画の開始は三日後ですが、人類滅亡完了は1週間後。安藤未華子様が死ぬのは予定では六日後となっています。残りの6日間くらい、外に出てまじめに生きてみては」 「何言ってんのあんた。頭おかしいんじゃないの」  安藤未華子が顔を赤くして言いました。どうやら怒ったようです。 「なんで私がニートだって知ってんのよ」 「えーとですね、私は宗教法人ひまわりの古澤ミカコですがそれは兼業で、本業は俗にいう神なんですよ。人間でもありませんから、人類滅亡では死にません。そんで、神だから何でも知っているんです。だから安藤未華子様がプーテン族だってことも知っています」 「わけわかんない」  安藤未華子は怒りを通り越してすでにあきれていました。よくある反応です。
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