ハジマリ

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トン、トン、トン、とリズムよく聞こえるまな板の音で俺は目を覚ます。 「ふぁ~もう朝か・・・・・・なんか寝た気がしねぇな・・・」 もう一度寝ようと思ったが、どっちにしてもあいつに起こされるのは目に見えていたので二度寝は中止にしておいた。 「あいつは最近になって起こし方がエスカレートしてきたからな・・・・・・」 念のため自己紹介をしておこう。 俺は、東雲 泰史(しののめ やすし) 今は大学一年の文学部だ。 といっても今は休学中なのだが、 そして、あいつとは 俺の彼女の中村 智里(なかむら ちさと) こっちも同じ大学一年で教育学部だ。 因みに智里も休学中だ。 何故かと言われれば、俺達は今、ある問題を解決しようとしている。 それは、呪い。 過去にももう二度体験している。 その呪いとは、俺の先祖である。 東雲 桜花(しののめ おうか)が産み出しているという事だった。 まぁ、先祖のつけは子孫である俺の役目だという事だ。 智里も一緒っていうのは、まぁそれは事情が複雑なんで今は止めとこう。 話を戻すが最近智里は起こし方が非常に雑になっている。 何故かは未だにわからないままなんだが。 前にハリセンで起こして、俺は鼻血を出したことがある。 それに味をしめたのか・・・ 最近は洗濯ばさみがマイブームらしい。 「最初はましだったな。この前なんか鼻と唇のダブルだったな・・・・・・」 と、まぁ智里のドSっぷりが目覚めていっているのだ。 俺達は前回の呪いを解決した後、各地の集落を回るということで休学届けを出した。 しかし、あまり言いたくはないが、 それは一ヶ月の前の事だ・・・・・・ じゃあもう、集落を回ったのかと言えば答えはノーだ。 まだ出発すらしてない。 その理由に智里の休学届けがあった。 母親を説得するのに時間がかかってしまったのだ。 いや、説得自体は一瞬だった。 俺の母さんが説得したんだが、話をした瞬間にオッケーを出したのだ。 では何故か。 理由は俺の母さんだ。 母さんを捕まえるのにひどく時間がかかってしまった。
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