第8章

2/26
前へ
/26ページ
次へ
「大丈夫さ――」 でも大丈夫。 自慢の品を携えた女王様が 大人しくしているとは思えないから。 「あの人はね、絶対に自慢してみんなに見せつける。美しくて価値あるものを隠しておけるタイプの人間じゃないんだ」 そこだけは僕と似て――。 言った傍から 人混みの向こうで 一際大きな歓声が上がる。 「ほらね、お出まし」 僕は肩をすくめると 「計画通りに」 「やれやれ」 渋面のキンバリーに耳打ちし 自分は壁際に身を潜めた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加