64人が本棚に入れています
本棚に追加
貴恵が座るのは中央のテーブル。
どこにいたってそうだ。
輪の中心。
自分が花形じゃなきゃ気が済まない。
典型的なお姫様気質。
「すごいわ!見せて見せて!」
「私が先よ。割り込まないで」
そんな見栄っ張りの
狙い通りだろう――。
テーブルを囲むように
黒山の人だかりができている。
「順番よ、順番にね」
弾んだ声で指図する
女王様はすこぶる機嫌がよかった。
乾杯のシャンパンを飲み干すと
ちょこんと膝に置いたバッグから
取り出す――。
手の平に乗せれば
小鳥の卵ぐらいあるダイヤモンド。
最初のコメントを投稿しよう!