第8章

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テーブルの上。 もったいぶって包みを開かれた まばゆいばかりの宝石に 「すごい!」 「これどうなさったの?」 会場中からどっと 驚嘆と羨望の声が上がる。 「それは内緒よ」 人から奪ったお宝を 満足げに自慢して。 「チェッ……」 腹の立つことこの上なしだ――。 でも笑っていられるのは今のうち。 僕が放った刺客が すぐそこに。 僕の目配せひとつで 完璧な夜は海の底に沈むよ。 だけど残念。 船は動き出してる。 もう後戻りはできないからね?
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