64人が本棚に入れています
本棚に追加
僕はコメディ女優宜しく
キンバリーにむけてウインクに投げキッスを送る。
しらけた面してそれでも
欲に駆られて僕を舐めまわしたツケを払わなくちゃね。
「君、君――ちょっといいかな」
キンバリーは芝居がかった調子で
咳払いしながら。
「何かしら?」
人波を割り
女王様に近づいてゆく。
「警察だ」
「警察?」
作戦通り。
胸元の拳銃をチラリと見せつけ
「そ」
キンバリーは悪びれずのたまう。
「なかなか上手いじゃないか!」
一気に静まり返る船内で
僕は笑いを噛み殺し一人静かに手を打った。
最初のコメントを投稿しよう!