第8章

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突然。 壁際から姿を現した 自分のドレスを着た女を見て 「なっ……!」 貴恵はその場に腰を抜かすほど驚いた。 「あなたのはこれでしょう?」 手の中のアメジストを見せてやれば 椅子にストンと腰を下ろし。 「あんたっ……!」 ようやく 僕の復讐劇だと分かったか。 憎らしげに唇を噛みしめる。 「はい、あなたの偽物」 皆に聞こえるように 大声でそう言って。 「本物は私のよ」 僕は有無を言わせず 宝石を取り換えてやる。
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