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ドゴーーーン!!!
突然城を何者かが攻めてきたのだ。その何者かを姿を見た者は呆然とした。その姿は異様でどんな動物にも似つかない姿をしていたのだ。黒い体、長く伸びた尻尾……どう見ても普通の生物じゃない。だがこの異様な生物はほかにもいたようで城に対してだけではなく町にも攻撃を仕掛けてきたのだ。
「戦え! 民を守るんだ。行くぞっ」
それを見た兵士たちが町に行き、戦おうと出向こうとするが……
ズバッ!
一瞬の内に首を切られ死んでいった。その兵士たちの死体の近くに雷のような色と夜のような色の二色の異様な生物がいた。その体に電気を纏い、腕には雷を思わせるような刃のようなものがついていた。
「くっ、出会え、出会えーーっ!」
城の中では日高が兵士たちを指揮し、城内にいる異様な生物を倒そうとしていたのだが……
「くらえっ」
いくら斬りかかっても……
ズバッ!
「このおっ!」
矢を放とうとも……
ズバッ!
効かなかった。いや正確には当たっていないのだ。相手は姿を消して兵士たちの攻撃をかわし、攻撃してくるのだ……まるで影になっているかのように。
「日高様、お逃げください。此処は我々が時間を稼ぎます。その間にお逃げください!」
兵士の一人が日高の元にやってきてそう伝えるが日高は、
「駄目だ。兵士、それに民が命を落としているこの状況で逃げることなどできん! 我も戦う」
断固としてそれを拒み続け、刀を取り出し戦う意志を見せた。日高は一度決めたことは最後までやり遂げる、諦めない性格、それに城主命令だと言われ兵士は逆らうことはできなかった。
すると妹である日和が日高の元に駆け寄り、
「私も戦います」
と言ったが日高はそれを許さず「お前だけでも逃げろ」と言ってきたのだ。それを聞いた日和は兄に何故ですかと問いかけるが返事はせずに、代わりに一本の薙刀を差し出してきた。その薙刀は日和たちの親がかつて使っていたものであり、今では家宝として使われていなかったがいつでも使えるようにと研がれてはいた。この薙刀は鍔のところに紙垂が四本ついているのが特徴的なところだった。
「逃げるときの護身用として持っていけ。必ず生き延びろよ」
そう言うと兄は兵士に命じ日和を戦いの中城から外へと通じる抜け道を使い逃げていった。
「兄上っ、兄上ーーっ!」
必死に抵抗するも兵士に担がれているため、無駄な足掻きだった。
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