第1章 ようこそ恋愛相談部へ!

2/64
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
1話 甘い罠 高校生活というものは明るく輝かしいイメージが先行しがちである。ドラマや漫画、アニメでは部活に打ち込み、その中で恋をし、結ばれ部活もそれなりの結果を残してハッピーエンド。 しかし、そんな輝かしい青春時代を送れるのはほんの一握りだろう。部活に打ち込みすぎたばかりに恋愛がおろそかになったり、逆に恋愛したばかりにどっち着かずになって部活動がいい加減になってしまりと。 でも、そのどっちかでも何か夢中にあるものがあれば高校生活を終えて振り返ったとしても「楽しかった」や「あの頃に戻りたい」など思えるのかもしれない。 だが、そんな自分、青陰達紀(あおかげ たつき)高校2年16歳には到底そんな青春が待ち受けているとは思えないのである。 身長169cm四捨五入して170cm。体重は56kg。身長は平均ぐらいに体重はやせ過ぎず太り過ぎず。髪型はミディアムショート。短すぎず長すぎず。顔も目は二重でこれといった特徴のない並程度だとは思っている。とりあえず普通の男子高校生といっても過言ではないのではないだろうか。 放課後、担任教師の一声で帰りのショートホームルームが終える。部活動に向かう者や、中にはクラスに残ってトークを始める女子達、騒がしい教室も次第に静けさが増していった。 「達紀ー、また明日なー」 「じゃなあ」 「おう、二人とも部活がんばれよー」 声をかけてきた二人は江藤翔太と田中賢哉のサッカー部員である。クラスでもムードメーカーみたいな存在で2年とはいえ、ベンチに入れるぐらいには凄いらしい。毎日のように「部活だりい」とか言ってるものの続いてるということは楽しくやっているわけだろう。それなりに容姿もいいしキャラもいいので女子からの評判もいいし二人とも彼女持ちである。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!