1 小道の再会

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1 小道の再会

こんな感覚を、味わったことはないだろうか。 記憶の奥底で、唐突に、鈍い閃光が光る。 それと同時に、それが全身を駆け抜け肉体を硬直させる。 一方で、そんな肉体とは裏腹に、眼の前の現実が脳内の隅々に渡る 刺激となって駆け巡り、過去の光景を、次々フラッシュバックさせる。 たぶん、長く生きていれば一度は起こり得そうな、この感じ。 そして、あの時――。 この感覚に捕らわれたのは、私よりも、彼のほうが早かったのは 明らかだった。
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