ひとかけら

地味な女

・・・・・。

せ・・・先輩？そんなキツイ言い方したら、桜が泣いちゃいますよ・・・？

慣れた私からしたら　先輩のこの口調なんて気にもしないけど
今まで男にチヤホヤされてる桜なら　男の人にこんな言い方されるなんて天と地がひっくり返ったような衝撃だろう

恐る恐る　桜を見ると
ほら・・。案の定　泣きそうに俯いちゃったじゃない・・・

「先輩、ちょっと・・・」

「森田さん！！私　もっと頑張ります！！それで少しでもスキルアップしたら　私にも仕事教えて下さい！！」

・・・え。

桜が急に大きい声で間に入ってきた

よほど悔しかったのだろう
目には悔し涙がにじんでいる

「ふん。お前には到底無理だろうな。」

そう言って、桜には見向きもせずに先輩は去って行った

・・・ちょっと、この気まずい空気どうしてくれるのよ・・・

残された私と桜の間には何とも言えない空気が置いていかれた

「優花さん、私負けませんから！！」

・・・え。何が・・・？

ポカンとしていると

「森田さんは私が絶対落とします！！」

・・・へ？私に宣言されましても・・・
てか、あなた何も良い反応されてなかったのに　よくそんな事言えるよね・・・

「はぁ・・・。頑張って・・・」

「優花さんより私の方が・・・・似合ってるもん・・・」

・・・？

今、何か言われたような・・・

「・・え？なに？」

「いえ。では、仕事に戻ります！！」

・・・戻るも何も、デスク　その場だし・・・

そもそも　仕事放棄して話に入ってきたの　桜だし・・・

言いたい事が山ほどあったが、私は何も言わず席に座った