地味な女

12/13
前へ
/382ページ
次へ
すると、すぐに返信が届く 『ライバル視が凄いから』 ほほう。そういうことか。 先輩に仕事を教えて欲しいという思いから 私に仕事で負けたくないと ライバル視してくれているのね いい事じゃん 彼女がもっと仕事頑張ってくれたら それだけ私の仕事も減るし もっともっと新しい仕事に取りかかれる いい事づくし!! 『望むところです』 そう返信して 私は仕事に戻った 一度 入力作業を始めると 他の事が全く目に入らない私は その後 また先輩からの返信があった事も 桜がまだ睨んでいたことにも 全く気付かなかった 今日はすこぶる調子がいい 鼻歌まで出てきそうな気分 カタカタとキーボードを叩く音も軽やかだ 規則正しい音と勢いで 私は予定分の仕事を終え、それと同時に帰る時間になった 「よし。」 帰る準備をしながら桜の方をチラっと見ると うん・・。まぁまぁ終わってる・・。 少しの残業でなんとか終われるんじゃないかしら 思ったより進んでいる彼女の仕事に安心して私はデスクを離れ みんなに挨拶をしてエレベーターに向かう 『定時で上がれるように仕事しろ』 それが森田先輩の一番最初の教えだった いい生徒に育ってますよ・・・ 心の中で森田先輩に感謝
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

648人が本棚に入れています
本棚に追加