地味な女

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エレベーターが来て開いた瞬間 うわ・・。 今日に限ってエレベーター混んでるし・・・ 混んでいるエレベーターは苦手だ・・。 階段で行こうかと一瞬考えたとき 「どうぞ。」 親切にも違う部署の女性が隙間を開けてくれた 断るわけにもいかず、乗り込もうとすると 後ろから走ってくる音が聞こえた気がした 乗り込んで振り返ると グイッと走ってきたその人物が少し混んでいるエレベーターに滑り込んできた う・・・ 半分押し込まれた私はちょっと イラっとする でも、その人が私に向かって 「おいっ。」 息を切らしながら言う声に・・・聞き覚えが・・・ 狭いながらも頭を上げる 「あ・・・。森田先輩?」 髪が若干ボサボサになった先輩だった 「お前・・・メール・・・見た?」 まだ息切れしている 「先輩、ちょっと走ったくらいで息切れなんて・・・歳ですね」 そう言うと、頭をスパーンと叩かれた 「いでっ」 「メールくらいちゃんと見ろ!ばか!」 ・・・そういえば、仕事終わった事で安心しすぎて 普段こないメールなんて全然気にもしていなかった 「メール・・・すみません。見てません・・。何て入れたんですか?」 「うるせー。もう、見ないで削除しろ。」 ・・・。なんだよ、それ・・。 そう思ってるとエレベーターのドアが開いた 「行くぞ。」 ・・・どこへ? 私の方を横目で見て先輩は 「飯、付き合え」 一言発してズンズン歩いて行った 私の予定・・・聞く気ないのね・・・ どうせ 何も無いけどさ・・・
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