648人が本棚に入れています
本棚に追加
「佐藤って、動物好きだよね?」
車が発進してすぐに問いかけられ
心臓が跳ね上がる
「あ・・うん!!動物好き!!何で知って・・・・・
あ・・・美奈に聞いた?」
私は大の動物好きだ
今の会社に入る前は動物関連の仕事に就こうと思っていたくらい
「うん。ごめん、俺キモいね」
申し訳なさそうに中田君が微笑む
「違う違う、そんな事ないよ。
もしかして、これから動物関連のとこに行くの?」
「あぁ、なんかサファリパークっぽい動物園?
姉ちゃんから 割引チケットもらったから行こうかと思って。・・いいかな?」
「知ってる!!ワールドサファリでしょ?!!あそこ、一回行ってみたかったんだ~!!」
雑誌でこの前見たばかりだ
動物園に行くなんて何年ぶりだろう
嬉しくて思わず口元を手で覆う
「・・・ぷっ」
・・・・・?
隣で中田君が噴出した
「今、笑ったでしょ?」
ジッと見ると
「ごめんごめん。だって、佐藤あまりに喜んでくれるから嬉しくて」
「だ・・だって、嬉しいんだもん」
「・・・・うん。やっぱり、今日頑張って誘って良かった」
・・・・・・なんだ、この気恥ずかしい空間は・・・・・・
赤くなった顔を隠すために私は窓の外を眺めた
ふと、道の先に可愛いパン屋を見つける
「あ、あそこにパン屋さんできたんだね・・・」
「ん?どこ?」
「そこそこ」
指を指すと、中田君は自然とそのパン屋の前に車を停めた
「・・あれ?」
「せっかくだから、パンでも食べながら行こうか。あと少し時間かかるし」
「う・・うん!」
こ・・・・これが本当のデートってやつね・・・
めっちゃデートっぽい!!!!
ドキドキしながらパン屋に入る
最初のコメントを投稿しよう!