迷い

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思い出さないといえば嘘になる 胸の片隅には いつも居るあの人 どうやっても消えてくれない でも、忘れなくてはいけない 凄く優しい彼に 微笑まれる度に罪悪感だけが胸を締め付ける たわいもない話をしながら車に揺られていると 「もうすぐ、着くよ」 また優しく微笑まれる 私は上手く微笑み返せているだろうか・・・・ *** 車を停めて外に出ると 可愛らしいゲートがあった くぐると、すぐに受付があって 消毒液で手を拭かされる 「こちらの西エリアは触れる動物ばかりですので、動物と触れ合った後は手を洗うのを忘れないようにお願いしますね」 そう言われて、一気に私のテンションが上がった さ・・・さわりたーい!! 何がいるの? パンフレットに食いつく私に中田君が また「ぷっ」と噴出した 「あ、ごめん・・・」 我に返ると、中田君が首を横に振る 「俺、やっぱり佐藤の事好きだわ。一緒にいて、めっちゃ癒される」 ・・・は・・・初めてそんな事言われました・・・ 「そ・・・そんなこと・・・・」 モゴモゴしていると 「あ!!カメ!!」 「え?!」 振り返ると巨大なカメがこちらに向かって歩いてきた 「きゃぁ~!!!かわいい!!」 持ち上げると、中田君が写真を撮ってくれた 「佐藤、よくそれ持ち上げれるな・・・・」 「うんっ!!凄いかわいいよ!!中田君も、ほら!!」 「あ・・ああ・・・・」 中田君も必死に持ち上げる 「いい感じ!!」 お互い写真を撮り合って先に進む ワラビーにも、羊にも ヤギにもポニーにも どんどん触れ合えるこの動物園は私にとっては楽園だった
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