迷い

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***** あれから、私たちは再び動物園をまわって カジュアルなイタリアンで夕飯も一緒に済ませ  家路に着いた 「今日も送ってもらっちゃって、ありがとう。中田君って、そういえば何処に住んでるの?」 早いもので・・・気付いたらもう家の前だ 「あぁ、すぐ近くだよ。電車で言えば・・・ここから さらに二駅くらいかな」 あまり遠くなくて良かったぁ・・・・ 「そっかぁ。ありがとう。また・・・連絡するね」 「うん。俺もまた誘うから」 そう言われたあと、ふと車の中の時間が止まったような感覚に襲われる 「・・・・・・ぇ・・。」 あまりに急で分からなかった 私の唇には 生温かい感触が残っている 目を見開いたまま目の前の人物に目をやると 「ごめん・・・我慢できなかった・・・・」 運転席から私の方に乗り出した中田君が真っ赤になっていた キ・・・・・キ・・・・キス・・・?!!! え?!今・・・キスされた・・・よね? どんどん顔に熱が集まってくるのを感じる 「あ・・の・・・あの・・・お・・・おやすみなさいっ!!!!!」 私はそう叫ぶと 車から降りて家に向かってダッシュした まだギリギリ車から見えるところで思い出して振り返り ガバッと頭を下げる 微かに中田君が笑ったような気がした そして小刻みに手を振る彼を見て もう一度頭を下げ 再び部屋に向かって走る せ・・・・先輩以外の人とキスしちゃった・・・・・・ ・・・え・・・・・え・・・え・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!!!?
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