夢と現実

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Side:森田 『会えません』 優花から届いたこのメッセージ 明らかにおかしい このまま何か返事を返しても きっと、優花のことだから何も返ってこないだろう あいつは、意外と頑固。意固地。 俺は優花の性格をだんだん理解してきていた 会いにいくか・・・・ 土曜日の夜、当たり前のように会えると思っていた優花に断られ 俺は焦っていた 車のキーを持って 外に出る あいつ・・・・今、何してるんだろ・・・ いるかわからないけど・・・家に行くか・・・ 行くと言ったら、来るなと言われるか 出かけられるか 優花が最近俺を避けているのが丸分かりだから 俺は何も言わずに家に向かった 『デートしてみれば?』 俺の優花を試す行為が どうやら優花の勘に触ったようだ あれから仕事場でも明らかに俺を避ける 勘違いしてるな・・・・・ 俺はその誤解も解きたかった 家にいろよ・・・・ 家の近くまで行くと、部屋に明かりが付いているのが見える 良かった・・・・ 緊張して優花の部屋のチャイムを鳴らす 家にいれてくれるだろうか・・・・ 「あら、だーれ?」 「酒くさっ!!」 インターホンに出ることなく いきなりドアが開いた しかも、めっちゃベロンベロンだし!!!! 「お前、ちゃんと確認してからドア開けないとあぶねーだろ!!」 「あ。先輩らー」 ・・・・・・全然聞いてねぇ・・・・・ 「これって、夢ー????」 いつもと違ってアホみたいにニコニコしている 子供のようなその仕草に少しドキっとしながらも 優花を部屋に戻した 「お前・・・どんだけ飲んだんだよ・・・・・」 リビングに入って驚愕した 500mlのビールの缶が散乱している 「らって、美奈がたくさーん置いていったんらもーん」 口回ってねぇし・・・。 「ほら、この袋に缶回収しろ」 そう言って、近くに落ちてたビニール袋を渡す 「はーい。はいはい。」 ・・・こいつって、酔っぱらうとアホになるんだな・・・ 呆れてみていると 「先輩、何しにきたのー?」 急に振り返った聞いてきた 「お前に会いたいから来たに決まってるだろ」 「ふーん。『みさき』がいるのに?」 「あ?なんで、お前『みさき』のこと知ってるんだよ」 ・・・俺、こいつに言ってないよな? 「らって、先輩寝てるとき言ってたもん。みさきー!!みさきー!!って・・・」 絶対言ってないしっ!!!!
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