夢と現実

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まだ何か言いたそうな先輩を無理やり追い出す 靴をはかされた先輩はどこか寂しそうな 切ない目をしている その目にドキっとしながらも 後ろでギャーギャー言ってる拓が気になって話しにならない 「先輩・・・ごめんなさい・・・・。 後で・・・電話します」 そう言うと、 そっと私の頬に先輩の手が触れた 「お前は・・・本当に・・・馬鹿だな」 「・・・え?」 「電話、待ってる。もし、何かあったらすぐ来るから。絶対連絡してこいよ」 優しくそういうと 先輩は帰っていった ・・・・・・・先輩・・・・・・? なんで、そんなに優しいの・・・? なんで・・・・好きでもない私にそこまで愛おしい目をできるの・・・・ どうして・・・・・ また涙が溢れそうになる しかし、私が想いに浸る前にコイツを何とかせねば・・・・ クルッと鬼の形相で振り返る そこには、何ともいえない顔で拓が座っていた 「ちょっと・・・・。なんで こんな事になってるのよ・・・。」 「お前が変な男連れてるからだろ」 カチン 「変な男じゃない。私は先輩の事・・・本当に好きなんだから」 「あ?でも付き合ってないんだろ?あんなイケメンがお前なんかをまともに相手するわけねーだろ。 遊ばれる前に気付けって言ってんの」 むっかつくー!!! 「あのね!!!」 そう言ったところで 拓が立ち上がって 私をふわっと抱きしめた 「・・・・・え。拓、何やってんの?」 ギューッと力を入れて抱きしめたまま私の肩越しに切ないため息が聞こえた 「お前が無事でよかった・・・・。セフレとか、絶対やめろよ。いくら好きな相手でも・・・・ ちゃんとお前を愛してるやつと結ばれろ。」 ・・・・・・拓? なんか、今日の拓は怒ったり 優しかったり 変。 いつも、変だけど・・・・ 「わかってるわよ。」 怒りも収まってきて・・・小声でそう言うと、ふっと鼻で笑った拓は私から離れた すごーく、ドヤ顔で・・・・ こ・・こいつー!!! ・・・・だ・・・だまされた・・・・・・
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