二股

3/20
前へ
/382ページ
次へ
*** 水曜日 今日は中田君とご飯を食べに行く イチイチ先輩に報告する必要・・・・ないよね・・・・ 私はカタカタカタ・・・・といつものように仕事を進めていた 「・・・・ん。・・さん!!優花さん」 ・・・?! 「は、はい?!」 隣で桜が私を必死に呼んでいた 「森田先輩待ってますよ?」 機嫌悪そうに私に言う なんで、いつも私より先に桜が先輩に気付くのだろう チラっと入り口を見ると 口を尖らせた先輩が腕を組んで待っている また 皆の視線が集まる だから、もう!!ここに来ちゃ駄目だってぇぇぇぇぇ!! 顔を上げられない私は真っ赤になって入り口に駆け寄った 「先輩!!だからここは駄目ですって!!」 小声で怒る でも、そんな私を全く無視して先輩は用件を言い出す 「今日、飯いこう」 ・・・・話を聞きなさい・・・・・ 「いいで・・・・・・・・・」 いいですよ・・・って言おうとして ハッとする 今日は中田君とご飯に行く日だ 「あ。ごめんなさい。今日は先約が・・・」 「誰と?」 「・・・・美奈?」 本当のことを何故か言えず 咄嗟に美奈の名前を出してみたが・・・・ 疑問系で言ってしまった 目が泳ぐ 「ふーん・・・・。」 先輩には何もかも見透かされているようで 心臓が変なリズムで鳴り出す 「・・・・・お前、嘘つくの天才的に下手だな」 そうですよ・・・・・ やっぱり先輩には見透かされていたらしい 私は情けなくうなだれた
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

648人が本棚に入れています
本棚に追加