二股

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定時。 イソイソと帰る準備をしていると 桜は私が先輩と出かけると思ったのか 隣でイライラしている 「お先に失礼します」 そう一言かけて 会社を出た 待ち合わせの駅に着くと、ちょうど同じくらいのタイミングで中田君の車が到着した 「ごめん、待った?」 窓を開けて中田君が申し訳なさそうに言う 「ううん。本当に今ちょうど着いたとこ」 そう言うとクシャッ笑い わざわざ一度車を降りて助手席のドアを開けてくれた 「いいのに・・・」 いつもそう言うけど 中田君は絶対やってくれる 「俺、楽しみすぎて 勝手に店決めちゃったんだけど・・・イタリアンで大丈夫?」 「全然大丈夫!!イタリアン大好き!!」 いつも居酒屋しか行ってない私にはかなり背伸びしたような気分だ 隣で優しく微笑んだ中田君は 「じゃ、出発っ」 そう言うと、滑らかに車を発信させた チラッと中田君の横顔を見る そ・・・・そういえば・・・ この前、軽くだけど 中田君にキスされたんだった・・・・ 彼の唇に目が釘付けになる すると、不意に中田君がこっちを向いた 「ん?俺に何かついてる?」 「い・・・!!いや!!ごめん・・・・見とれてただけ」 ・・・・・・ 「や・・・やめて。緊張する」 急に赤くなった中田君が少し可愛いと思った
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