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車を降りた私は、彼の車が見えなくなるまでずっと見送った
初めて・・・・
私を好きになってくれた人
好きだって告白してくれた人
私のためにいっぱい考えてくれた人
彼の想いを無駄にしないように・・・
そう言うと、かなり上から目線って言われそうだけど
でも、私は頑張らなくちゃいけない
ぐっと唇を噛みしめて
私は部屋に入った
そういえば・・・
先輩がいつくるのかなんて聞いていない
電話してみようか・・・・
携帯に手を伸ばした途端
着信音が鳴って 心臓が飛び上がる
「あ・・・・」
着信の相手を見て
胸がまた高鳴った
「もしもし・・・」
「・・あ・・。俺・・・」
相手はもちろん先輩だった
さっきとは違って
遠慮気味の様子
「今、どこですか?」
・・・・・・・
「ドア開けて」
・・・・・?
「え?!」
急いで玄関のドアを開けると
そこには 携帯を耳にあて
気まずそうな顔をした先輩が立っていた
「せ・・・んぱ・・・」
『い』は言わせてもらえなかった
言う前に先輩に勢い良く抱きしめられたから・・・
「ちょ・・・。先輩?」
いつもと全然違う先輩の雰囲気に戸惑う
「あいつ・・・家にいないよな?」
私の肩越しに部屋を確認している
先輩の言う『アイツ』は中田君のことだろう
「いない・・・ですよ・・・・」
「拓も?」
前回の拓の突撃訪問を思い出して
ぶふっと笑う
「いないです」
「・・・・・・良かった・・・・」
もう一度 先輩が私を抱きしめた
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