二股

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それから、どれくらい時間が経っただろう 先輩の謎の言葉で沈黙が破られた 「お前、二股とはいい度胸だな」 ・・・・・・・?! 「は?!私がいつ二股なんてしたんですか?! 私なんかに無理ですから!!!」 先輩が抱きしめた手を緩ませ 私の顔を覗きこんだ 「あ?あの同級生君と付き合う予定だったんだろ? 俺という彼氏がいながら・・・・お前は本当に・・・・」 先輩の目が切ない目から怒りの目に変わってきたのが分かる 「え。ちょ・・・ちょっと!!先輩!!!異議あり!!!」 私は慌てて手を上げた 「なんだよ」 完全に機嫌が悪い先輩が目を細めて私を見ている 「私、先輩がくる直前・・・中田君にお付き合いはできないって断わるとこだったんですけど」 「・・・・・・。手繋いでいたくせに?」 「いや、それは・・・・ご飯奢ってもらったお礼というか・・・なんというか・・・」 何を言っても無理だ・・・・ 先輩がさらに詰め寄ってくる 「マンザラでもなかったんだろ?」 「いや!!違います!!!」 私は片方しか上げていなかった手を両手に増やした 「私が好きなのは・・・・」 先輩です その最後の一声がいえなかった 言ったら・・・・ どうなる・・・? お前、本気になるなよって嫌がられる? さっきまでの決心が あっさり揺らぐ
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