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「そ・・・・それより!!
二股って言ったって・・私たち付き合ってないじゃないですか!!
付き合ったフリなのに二股なんて・・・・言わなくてもいいじゃないで・・・・・」
その先は声がでなかった
私の万歳状態の手首は先輩の熱い手に握られ
そのまま壁に押し付けられた
唇には温かい感触と
先輩の匂い
この前が最後だって決めたのに・・・・
やっぱり私は流されてしまう
でも・・・・
それでも、私は先輩が好きなのだ
唇が離れてすぐ
「いつまで、お前は気付かないフリを続けるんだ?」
先輩の吐息が鼻先にかかる
・・・・・・・?
気付かない・・・・フリ?
ポカーンとした私は次の先輩の声で
さらに混乱する
「俺はお前が好きだ。練習でも、フリでもない。
お前が欲しくて仕方ない・・・・
いい加減気付け。馬鹿たれ」
「馬鹿たれって・・・」
信じられない言葉の連続で・・・・
そこだけが私の頭にキレイに響いた
「そこかよ・・・・」
ガックリうなだれた先輩
でも・・・私の手首はまだ先輩に捕獲されたままだ
「せ・・・せんぱい?」
「あ?」
「今の本当ですか?」
・・・・・・
「何が?」
わざと すっ呆けてるのが意地悪にあがった口角でわかる
「私の事が好きだって・・・」
信じられない
信じるのが怖い
でも・・・
「本当だよ。俺の中はお前でいっぱいだ」
そう言って、もう一度優しくキスをした
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