二股

20/20
644人が本棚に入れています
本棚に追加
/382ページ
キッチンに向かった先輩は勝手に珈琲をいれる準備をしている 「あ、先輩・・私がやりますから」 「いいよ。俺がやる。」 先輩は一瞬キョロキョロして すぐに棚にあるカップを出した 「じゃ、手伝います」 ケトルに水をいれスイッチを入れると お湯が沸くまでの間・・・ 微妙な時間が流れた 「先輩・・・・」 「ん?」 「好きって・・・・・苦しいですね」 好きでいるのは胸がキューってなったり ドキドキしたり 不安になったり・・・のぼせあがったり・・・・ 忙しくて体がもたない 「あぁ・・。俺も今気付いた。」 ・・・? 「え?」 「俺も、今までちゃんと人を好きになったこと 無かったのかもな。 同級生君に 生まれて初めて、嫉妬した。」 さっきの先輩の様子を思い出し ボッと顔が熱くなった でも・・・ そういえば まだ私には疑問が残っていた 「み・・・・みさきって誰ですか?」 もちろん、私は泥酔状態だったので聞いたのがコレが二回目だなんて思ってもいない 「・・・・・は?」 「い・・いや、だって先輩前に『みさきー』って・・・」 ふと先輩を見上げると 先輩の眉間に皺がよってきた 「まだそれを言うか!!この能天気頭!!!!!」 そう言うと私のこめかみをグリグリしてくる 「いだっ・・・いだいいだい!!!!」 「みさきは女じゃねー!!俺の愛猫だ!!馬鹿!!」 ・・・・・・・うそ・・・・・ 「そうだったんですね・・・?」 「何でもかんでも 二回言わせるんじゃねーよ」 ボソッと言った後 呆れた顔をした先輩は カチっと沸いた音がしたケトルの方へ歩いていった
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!