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この日、先輩は泊まっていくのかと思ったら
あっさりと夜遅くに帰っていった
泊まればいいのに・・・
そういう私に
俺は我慢が苦手だから・・と意味のわからない言葉を残して・・・・・
・・・・・先輩と両想いかぁ・・・・・
先輩が帰ってからもニヤけが止まらない私
むふ・・・むふふふふふ・・・・・
完全に不審者
そんな自分に危機感をもって
私は携帯を握った
この時間なら、美奈 まだ起きてるよね
一応メールをしてみると
やっぱり起きていたようで すぐに電話が鳴る
「もしもし?」
『ごめんねー!!ここ最近急がしすぎて、全然電話できなくて』
美奈の声に疲れが滲んでいる
「大丈夫?こっちこそごめんね。遅くに」
『いいのいいの。今、やっと落ち着いたから。それよりどうだった?デート!!』
私は今まであった事を全て話した
_______
『まじで?!おめでとう!!だから言ったじゃん!やっぱり両想いだったんだね!!』
「うん・・・。まだあまり実感がないんだけど」
『何言ってるの!!今日は先輩との甘い夜を想像して悶えなさい』
「なっ!!!何それ?!」
動揺する私をゲラゲラ笑っている美奈
「でも、中田君に悪いことしちゃったかな」
中田君の最後の優しい笑顔を思い出す
『そんなの気にしてたら うまくいく恋もうまくいかないよ!!颯のことは私が慰めておくから。
それに、アイツもやっと前に進めるんじゃない?』
「うん・・・・。
あ、そうだ!!そういえば何で卒業式の日、私に中田君からの伝言伝えてくれなかったの?!」
もし、あのとき行っていたら
何かが変わっていたかもしれない
『あ。忘れてた』
・・・・・・えぇぇぇぇぇ・・・・。
拓はどうやら関係なく 美奈が忘れていたらしい
そんなシッカリしてそうな美奈がたまにする天然な行動が私にはとても可愛く思えた
『後で謝っておくわ』
「うん・・・」
その後、少しくだらない話をして 電話を切った
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