644人が本棚に入れています
本棚に追加
/382ページ
実際には数秒だったのかもしれない。
でも、私には数時間にも感じた この何とも言えない『間』
美奈の見開いた目
拓の強張った筋肉を感じる背中
呼吸を忘れるくらい 重い空気が流れた
・・・・・・ちょっと・・・待って
これは・・・・夢?
酔ってるから・・・・
夢・・・・なんだよね?
お願い・・・夢だと言って
「帰るぞ」
この長い沈黙を破ったのは拓の一声だった
「うん」
クルッと私から目を逸らし 方向転換をした美奈が可笑しいくらいテキパキ歩いている
私は拓の背中の上で
2人を交互に見ながら何も言えずにいた
わからない・・・・
今のやり取りが・・・・
私にはわからない・・・・
ただ・・・言えるのは
私の酔いは一気に醒めた
最初のコメントを投稿しよう!