すれ違い

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実際には数秒だったのかもしれない。 でも、私には数時間にも感じた この何とも言えない『間』 美奈の見開いた目 拓の強張った筋肉を感じる背中 呼吸を忘れるくらい 重い空気が流れた ・・・・・・ちょっと・・・待って これは・・・・夢? 酔ってるから・・・・ 夢・・・・なんだよね? お願い・・・夢だと言って 「帰るぞ」 この長い沈黙を破ったのは拓の一声だった 「うん」 クルッと私から目を逸らし 方向転換をした美奈が可笑しいくらいテキパキ歩いている 私は拓の背中の上で 2人を交互に見ながら何も言えずにいた わからない・・・・ 今のやり取りが・・・・ 私にはわからない・・・・ ただ・・・言えるのは 私の酔いは一気に醒めた
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