648人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、どうやったら好きになれるんですか?」
直球で先輩に聞く
だって、全く分からないんだもん・・・
「まずは・・・俺の事好きだって思い込むこと」
・・・?
どうやって?
「・・・地味にお前のその顔・・・傷つくわ・・。俺の事好きじゃないのが丸分かりで・・・」
「いや・・・だって。それは難しいですよ・・・どうしたらいいのか・・・」
「じゃぁさ。俺ら付き合ってるって事にしよう」
・・・。
「は?」
何言ってるのこの人。
「だから、俺を好きなフリをしてみろって言ってるの。付き合ってるフリで気づく事もあるだろ。」
・・・?そうなの・・・?
「そういうなら・・・やってみます。」
・・・。
「で?付き合ってるって・・・どんな感じですか?」
付き合った事もないから、付き合ったらどういう事するのか分からないし・・
先輩が私をじっと見つめる
「とりあえず、今週末デートするぞ」
「はぁ。お願いします・・・。」
デートかぁ・・。
生まれて初めてのデートだ。
デート・・・。デート・・・?
「デートって、何するんですか?」
「お前、面倒くせーなぁ。なんだっていいんだよ。とりあえず一緒にいるのがデートだ」
ふーん。
それって、面白いのか・・・?
未知の世界に期待を寄せて、私はビールを流し込んだ
さっきより、少し苦味が減ったような気がするのは
恋を教えてもらえる喜びからだろうか
先輩が嬉しそうにビールを飲む姿を見て
私も何か 変われそうな気がした
最初のコメントを投稿しよう!