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急いで帰る支度を済ませ、痛い視線に気付かないよう 小走りで部屋を出る
「おぉ、準備できたか?」
近くの休憩場で缶コーヒーを飲みながら先輩が上目遣いでこっちをみていた
「・・・先輩・・・。こ・・・今度からは 違うとこに呼び出してください・・」
「は?なんで?」
「し・・視線が痛すぎて・・・私、耐え切れません」
桜なんて、きっと目で人を石にしてしまうくらいの威力だったはずだ
怖くて、もう桜の方を向けない
「弱っちーなぁ」
そう言いながら私にポンっと缶コーヒーを渡した
「え。私にも買ってくれたんですか?」
「おう。お疲れ。車行くぞ」
「はいっ。あ・・珈琲もありがとうございます!」
そう言うと、ふわっと笑った先輩は また前を向くとズカズカと早歩きになる
ちょっと・・早すぎ・・・
パタパタと追いかける私
忘れ物がないか 鞄を走りながら覗いてると
ボフッ・・・・
「いった・・・・」
急に止まった先輩の背中に顔面を打った
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