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「な・・・なんで急に止まるんですか・・」
「ぶふっ!いや、歩くの早すぎたかと思って」
「もうっ!!早いから小走りで追いかけてたのに 急に止まったらぶつかるじゃないですか!!」
怒ってる私とは対照的に楽しそうな先輩
「ごめんごめん」
ブーブー言う私の頭をポンポン撫でたかと思ったら
スッと私の手を取り 握って歩きだした
「・・・え・・・。これ、なんですか・・?」
繋がれた手を見て私が指摘すると
「こうだと、歩くの早すぎるのに気付けるだろ?」
・・・・。
「はぁ・・。」
・・・?そういうもの?
心なしか、ちょっと赤い顔の先輩を見て
本能的に これ以上突っ込むのをやめた
しばらく歩いて気付く
普段 車では来ない私は駐車場まで こんなに距離があるなんて知らなかった
「先輩、まだですか?」
「あぁ・・もうちょっと」
「けっこう、遠いんですね?
「まぁな。」
いつもと違って言葉が少ない先輩にむず痒い
繋がれた2人の手の体温が同化している
トクン・・・・
・・ん?なんだ、今の・・・
歩きすぎて、不整脈出たかな・・
静かに歩き続けながら
私は恋の新芽を出したのだった
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