一線

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「・・・んっ・・・」 先輩のキスが いつもと違う それは恋愛初心者の私でもわかるくらい 明らかだった どんどん深くなるキスに怖さと愛しさが入り混じる 「・・せ・・んぱい・・・」 時折先輩を呼ぶ自分の声が自分のものじゃないみたい ふと、動きが止まって 私が瞑っていた目を開けると 「怖い?」 愛おしいものを見るような とても優しい目で彼が私を覗き込んでいた 首を横に振ると 「無理するな」 そう言って ギュッと抱きしめられた 「怖くなんて・・・ないです・・・」 言葉とは裏腹に声が震える 「俺は お前と一緒にいられるだけで十分」 そう言うと 先輩は そのまま私の横にゴロンと寝ころんだ 「・・・え?」 完全にこのまま・・・と思っていた私は拍子抜けした 先輩を見ると むこうも私の事をみていたのか目が合う 「ちゃんと、大事にしたいから。お前との初めて。」 そう言って、私の前髪をサラッと撫でた そんな ・・・見た事のないような優しい顔を見たら・・・・ 私はもう抱かれても良かったんですけど・・・なんて、言えないし!!!! 色んな意味で赤面した私は とりあえず、近くにあった毛布で顔をかくした 私のばか・・・ 私の変態・・・ 私のエッチーーー!!!! こんなふしだらな事を考えてるなんて知るよしもない先輩は 恥ずかしがってるのだと思ったらしく 毛布の上から私をそっと抱きしめた
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