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昼までの仕事は何とか説得して済ませたものの
何故か
今日の午後は部長に早退を命じられ
今は婚姻届を手に
役所へ来ている
「本当に今日 提出するの?」
横で意気揚々に呼ばれるのを待っている彼に問う
「嫌か?」
「全然。」
婚姻届はもうすでに書いてあったので提出するだけになっていた
迷いは何もない
でも・・・・
こんな勢いでいいのだろうか
「優花」
「ん?」
私の手を大事そうに握った手に 少しだけ力がこもる
彼の顔を見ると
先輩はまっすぐ前を見ていた
「お前はこれからずっと俺の一部だから。
だから・・・・・お前が嬉しいと、俺も嬉しいし
お前が悲しいと、俺も悲しい
ずっと・・・・ずっと笑って過ごせるように 俺がお前を守るから
この手を離すなよ?」
・・・・・・・・・・・・・
こんな・・・・公共の場で言わないで欲しい
嬉しくて
こみ上げてくる涙を抑えられない
「・・・・・はい。先輩も私の一部です・・・・・・」
頬に温かい雫がこぼれ落ちた
________「森田篤志さん、優花さん ご結婚おめでとうございます」
私たちは2人で1つになった
これから、悩む事も
不安になることも
喧嘩することも あるだろう
でも・・・・何も怖くない
想う気持ちは同じだから
私たちは大きな愛のひとかけらに過ぎない・・・・
END
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