648人が本棚に入れています
本棚に追加
「先輩、すごいですー!!桜、こんな凄い人見たの初めてー!」
・・・。
全然嬉しくないです・・。
私が半分終わった時点で彼女は え。それ、減った?というくらいの仕上がり・・・
感心する暇あったらさぁ・・・
「お前も少しでも終わらせろよ・・・」
・・・え。私の心の声漏れた・・?!
呆れた私の言葉がハッキリと耳に届いた
あれ?!言っちゃった?!
急に聞こえた声に固まっていると
後ろから 頭にポンと手が乗った
「え?」
後ろを振り向くと
「森田先輩?!」
「おう。久しぶり!」
森田 篤志(もりた あつし) 31歳
当社の営業エース
仕事ができる彼は、私が入社当時の指導係だった
私の入力のスピードと正確さをさらに上げさせたのが彼だ
後に、営業へと課を変えて彼は出世コースまっしぐら。
長身に、整った顔立ち 仕事も出来て 気配りもできる
上からも下からも慕われる彼はみんなのアイドル的存在とでも言おうか・・・
恐れ多くて、誰も告白できないという
真の王子だ
「お前、仕事増えすぎじゃない?」
私のデスクに乗っている書類を見て森田先輩がため息をついた
「いや・・・そんなことないですよ・・。そこのはもう終わってるし」
「・・・はぁ?!この量をもう終わらせたの?」
「はい・・。まぁ。」
最初のコメントを投稿しよう!