第一章 気がつくとそこは…

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「ここ、どこ?」 目が覚めると、何もない白い空間にいた。 周りを見渡すが、誰も居ないらしい。 確かに自室に居たはずなのだが、ここはどこだろう? 「目は、覚めましたか?」 誰かの、声が聞こえた。 って、え?待て待て待て。 誰も居ないはずなのに何で声が聞こえたりするんだよ。頭のネジが何本か緩んでることは自覚してたけどいよいよ私も頭がおかしくなったか? 「混乱してるところ申し訳ないんですけど、貴方の頭がおかしくなったわけではないですよ?」 そうか、私の頭がおかしくなったわけではないのか。なら聞くが、君は誰だ。そしてどこから現れた。あとここはどこだ。 「順番に答えてあげます。まず私が誰か、といいますと、神、のようなものと思ってください。次にどこから現れたか、ですが、最初からここにいました。最後にここはどこなのか、ですがまぁ所謂冥界のようなものです。」 神のようなものとか最初から居たとかはおいておくとして、冥界のようなもの?要するに私は死んだ? 「ご名答。言っておきますが、私がしでかした何かが原因で貴方が死んだとかではなく自然死ですので、私に八つ当たりとかはしないでくださいね?」 そうなのか。死因も気になるがいい加減姿を表してもらえないか?さっきから辺りになにも見当たらないから、端から見れば私が挙動不審な人間のように見えるから。 「今ここには私と貴方以外居ないのだから気にする必要もないと思いますけど…。いいでしょう。体ごと振り向きなさい。」 振り向くとそこには、男がいた。ある1つの不思議な点を除けば、何処にでもいそうな男が。 それほど身長は高くないようだが、がっしりした体つきの男だ。そう、肩甲骨の辺りから生えていると思われる、一対の、白い翼がなければ。 服装はなぜか普通の黒いスーツなので辛うじて見えたが、そうでなければ背景の白さもあって気づかなかっただろう。 「思考を覗いて話すのも結構大変なので、そろそろ言葉で話してもらいたいのですが…。あと、気になっているだろうこの翼は本物ですよ。」 今さらっと結構重大そうな発言をしたな。思考を覗いて?神のようなものとか言っていたが、どうやら人間ではないらしいということは確か、か。
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