十二章 闘技大会

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「誰だっけ………えっと………あー、たしか、キャンベル君。」 「合ってるよ、君に袈裟懸けにバッサリ斬られたアレン・キャンベルだよ!」 「さいで。んで、第三闘技場?………ああ、あったねそんなことも。でもそのときはかなり全力だったよ?風紀委員長と元会計のガチの兄弟喧嘩の仲裁してたから。」 「………なんで?」 「やるなら学校と関係ないところでやってほしかったんだけど、二人揃ってグラウンドで暴れだしたから已む無く第三闘技場に転移させて、それから私も追いかけていって二人纏めて叩きのめしてたら結果的に半壊になっちゃったんだ。」 「半壊になるような魔法でも使ったのかい?」 「最上級3発。元会計が≪暴君の破砕撃(タイラントバースト)≫、風紀委員長が≪暗黒爆砲(ダークネスブラスター)≫。んで、それを止めようとした私がオリジナルスペル≪虚無領域(ヴァニティエリア)≫。」 「それでなんで半壊に?」 「二人は私が転移で回収したから無事だけど。≪虚無領域≫で威力を削りきれなくてね。二つが衝突した結果大爆発だ。」 「見込みが甘かったな、ヨシムラ。ダークネスブラスターもタイラントバーストも空間を削り取るタイプの闇魔法だ。」 「ああ、だから削りきれなかったのか。一定範囲内のエネルギーを強制的にゼロにする魔法なんだけど、その範囲を削られるんじゃあ防げないか。」 「第2闘技場も更地にしたって聞いたけど?」 「そっちは単純に火力の調整を失敗しただけ。一応人的被害は0。」 「全員静かに。」 喋っているところに、ハンク教諭が入ってきた。 「はい。皆さん分かっている通り、闘技大会が近づいています。自薦、他薦は問いません。個人戦の参加者を3人、チーム戦の参加者を5人決めてもらいます。」 教室中がざわめく。 「ああ、校長先生から聞いていますが。ヨシムラ君は個人戦には絶対に出ないでください。」 「出ませんよ?ラルフとグレイ、あとキャンベルなんかどうです?」 「ふむ………と、言っていますが。どうですか?3人は。」 「俺はどっちでも。」 「僕も、別に問題はないかな。」 「師匠が名前を上げたってことは、ほぼ選択肢は無いのと同じ………!」 「いや、出ないっていう選択肢も一応あるよ?」 「そっちを選んだら?」 「………」にっこり 「はい、出ます出ます!出させてください!」
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