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「すごく必死ですね、ラルフ君。」
「ただ笑って見せただけなのにどうしたんだろうね?」うねうね
「たぶんその触手が原因じゃないですか?」
「ん、ああ、これ?なんでか最近勝手に出てくるようになったんだよ、ね!」ぶちぃっ
背後にいつの間にか生えていた触手を引きちぎる。黒っぽい名状しがたい汁を撒き散らしながら触手が引っ込んだ。
「うっは。どんだけ千切られるの嫌なんだよ、この前は千切ったら謎の絶叫が聞こえたし。今度は汁かよ、掃除が面倒くさい。」
文句を垂れながらも水の球体を作り出し操って汁を拭い去る。
「………なんなんですか?この異臭を放つ冒涜的な液体は?」
「あ、あんまり嗅がない方が良いよ。これ、どうも有毒らしいから。」
「え!?」
「しかも、ほぼ全ての毒を無効に出来るほどの毒耐性を有する私にもほんのちょっと効果があったっていうかぶっちゃけちょっと口に含んだら激しい吐き気に襲われた代物だよ。」
案外便利なものではあるんだけどね、と締めくくり、何処からともなく取り出したガラス瓶に水球ごと押し込み栓をしてボックスに仕舞う。
「そんな危険な物質がどう便利なんですか?」
「1滴を百万倍まで希釈したものを吹き掛けるだけで人一人簡単に気絶させられる。ゴブリンの巣穴(障狐の姿でクイーンゴブリンの首を跳ねたのとは別件)で原液撒いたら巣穴の中にいたゴブリンが全滅した。保護した女性たちはなんでか全員目が虚ろでいあいあ言ってたけど、どうしたんだろうね?」
「ええええ!?」!!(゜ロ゜ノ)ノ
「あと、煮詰めて濃縮したものをナイフに塗って魔物に刺すとあら不思議。肉と皮が全部溶けて骨しか残りませんでした。ナイフもダメになったけどね。一応ミスリル銀製の超丈夫なやつだったんだけどなぁ………。」
「そこ、おしゃべりが多い!個人戦の参加者はヨシムラ君の推薦した3名で良いですか!?………異議が無いようなので、個人戦は決定です。チーム戦の参加者は、誰か立候補は居ますか?」
「あ、はいはいはい!アタシ出たいです!」
「シュトルムさん。他には?」
「「僕たち(私たち)も出たいです。」」
「リンネさんと、レント君。他。」
沈黙が一瞬場を支配する。数瞬の後、おずおずと手を挙げる少女が一人。
「私も、出たい。」
「リリスさん。………あと一人、誰か居ませんか?」
「ハンク先生。えーっと………カミヤだっけ?はどうですか?」
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