十二章 闘技大会

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「カミヤ君、ですか?」 「わりとまともに戦えるようになってると思いますよ?」 「………そうですね。出させていただけますか?」 「………………他に立候補は?………居ませんか。では、この5人で決定とします。」 喝采が響き渡る。 「当日までの間、各人鍛練を怠らないように。生徒会チーム以外の参加者は授業が免除されます。精進してください。」 「何それ聞いてないよ。」 「校長先生が仰るには、生徒会チームは唯でさえ強いのだから、それ以上強くしたらチーム戦が出来レースになってしまう、生徒達のやる気が削がれる恐れが高い、だそうです。」 「はあ!?魔武器禁止魔装禁止、この上更に縛るのかよ!」 「文句は校長先生に言ってください。」 「いや………もう頭来た。縛りかけられると本気出す日本の真髄見せてやるよ………。」ゴゴゴゴ 「なんでだろう、師匠の背後に禍々しい鬼神が見える。」 「お前(君)もか、グレイバック?」 「え、キャンベル君とバーンズ君も見えるの?」 「多分同じものがな。」 「見えてるものを一斉に言ってみるか?」 「良いね、せーの………」 「「「三面六臂で背中から無数の触手が生えた憤怒の相の鬼神。」」」 声を揃えて喋る3人を他所に、恐ろしい笑みを浮かべエトがハンク教諭に尋ねる。 「校長先生は今校長室に?」 「ええ。………それが何か?」 「ちょっと準備したいことがあるので早退します。あと校長先生に少しお話が。」 何か言い返そうとする教諭を一睨みで黙らせ、席を立って教室を出ていった。 「なんでしょう………すごく、危ない予感がします。」 ほぼ同時刻、校長室。 「さて。今年の闘技大会、どうなりますかね?」コンコンコン 「客が来る予定は無いはずですが………どうぞ。」 ドォン 首を傾げつつも入室を許可した直後、ドアが吹き飛ぶ。 「お忙しいところ失礼しますね、校長先生?」にっこり 「どうかしたかな、ヨシムラ君。」 「いえ、ハンク教諭から不平等にも程があるハンデを我々が課されていると聞いたのでそれに関して少し抗議に。」 「何か問題でも?」 「ええ。私だけならともかく、他の四人にも通常通りの出席を要求するのは如何なものかと。」 「………ああ、なるほど。でしたら、副会長以下4名は授業への出席義務を、“闘技大会までの期間に限り”免除します。」 「ありがとうございます。」
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