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「他には?」
「少しやることが出来ましたので、明日、明後日は欠席しますね。失礼します。」
片手でドアを拾い上げ、もとの通りに嵌めてから立ち去った。
「………凄まじい脚力ですね。ドアが彼の足裏と同じ形にへこんでました。………ということは、ノックした後蹴破ったということになるんですが、よくドアに潰されずにすみましたね、私。」
そこには、戦慄する校長が残された。
数分後、寮、エトの自室。
「さて………島国の本気と狂気を思いしれ。」ゴトゴト、カチャカチャ
ボックスから大量のインゴットと銀色の液体が入ったビーカーとフラスコを取り出しながら笑みを浮かべる男が居た。
「まずはこのインゴットを加工して………」
笑みを浮かべたまま、作業を始める。
「ここにこれを刻んで………中にアダマンチウムとヴィブラニウムの合金を充填………後は同じものをもう三つ………。」
丁寧に作業を進めるエト。
一時間後、作業机の上には腕輪が4つ並んでいた。
「よし………。」
両腕に二つずつ腕輪を着けて、満足げに頷く。
「次はアンクレットだな。これにはこの前見つけた風の魔結晶と火の魔結晶を組み込んで………」ブツブツ
食事も摂らず黙々と作業を続けるエト。
「こことこっちの式が繋がって………ああ、違う。これだと効率が悪い。………ここの式を変えて、こっちに繋いで………。………よし、最高。正直完璧って言いたいところだけど、いざ実際に動かして欠陥が見つかったら笑えない。」
完成した銀色のアンクレットを身に付け、同じように嗤う。
「お父さん。」
「お、ユイ。帰ってたか。」
「何してたの?」
「闘技大会の下準備。色々と縛りを掛けられたから、ちょーっと島国の本気を見せてやろうと思ってね。」
「そう………勝てる、よね?」
「………勿論。私は、既に強い。」
一度、作業の手を止めて席をたつ。
「良いの?」
「一旦休憩。結構根詰めてたからね。」
「そうなんだ………。」 ピンポーン
「誰?」
「師匠。」
「お、ラルフ。何か用?」
「何か用って、師匠。僕も生徒会チームで参加するんじゃなかったっけ。」
「ああ、その事なら何一つ問題はないよ。疲労も魔力も、私が完璧に回復させるから。」
「………リスクは?」
「相応にあるけど死にはしない。」
「そう。………ところで師匠、その腕輪とアンクレットは何?」
「秘密兵器。乞うご期待ってね。」
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