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「剣とか槍とか沢山持ってなかった?師匠。」
「対人として考えると9割方殺傷力が高過ぎる。足で投げれば無数の鏃に変化して数多の敵を貫き、突きを繰り出せば心臓を確実にぶち抜く槍とか、ビームぶっぱなす剣とか、色々。今回作ったこれはどっちかというと防御に重きを置いてるからね、一応。」
「腕輪にしか見えないけど。」
「見た目で判断しちゃあいけない。持ってみる?」
一つ外してラルフに手渡す。
「うわっ!?………見かけより、ずっと重い………!」
「言ったっしょ?見た目で判断しちゃあいけないって。色々仕込んであるからその重さなんだよ。まぁ、詳細は当日を待て、だ。この話は終わり。………夕飯食ってく?」
「………良いの?」
誘ったのはエトなのに、ユイに目線を合わせながら聞き返す。
「お父さんが、良いって言ってるから。」
「………じゃ、お言葉に甘えて。」
「ねぇラル、その子誰?」
「姉さん!?」
「………アレクシアだっけ。なんでここに?」
「何か問題でもある?………ああ、どうやってここに入ったかって話?………前の生徒会長のアリシア、知ってるでしょ?あの子にここのセキュリティの穴を教えてもらったの。部屋番は、というか、入居フロアはエリザベス管理人に聞いたの。」
「………そんなものあったんだ。」
「ええ。で、誰なの?」
「私の娘。ユイ、自己紹介。大丈夫、このお姉さんは優しい人だ。」
「………ユイ・ヨシムラ、です。」
「ユイちゃんって呼んでいい?私はアレクシア。そこにいるラルフは私の弟なの。」
アレクシアがユイの頭を撫でようと差し出した手が見えない何かに弾かれる。
「………え?」
「………あれ。なんで作動したんだ?敵意は感じられなかったけど………。」
「姉さん………いや、お前………誰だ?」
「………マジかよ、セキュリティがばがばにも程があるだろこの学園。」
「………マジか、なんでバレた?」
「狼獣人の嗅覚を誤魔化せると思うなよ。姉さんは匂いがきついものが苦手だから香水なんか付けない。」
「………おいおい、俺が人選ミスったパターンかよ。」
「………今度は魔国軍の誰だ、うん?」ジャキッ
魔武器を突き付け脅す。
「はい毎度、俺ですよ、偽身のゲンガーさんですよ。」
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