十二章 闘技大会

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「で、今度は何の用だ。返答によっては………」 「よっては………?」 「手足に関節が二つか三つくらい増えることになるぞ?」 「あのボケ老人がしくじったから直接捕まえてこいってサトウとか言う転生者に命令されました、サー!」 「よし、有罪(ギルティ)。私が直々に話してくれたお礼をするから、ちょっとユイと遊んでてくれる?ラルフ。」 「その前に一つ………姉さんは何処だ?」 「あ?この姿を借りた女?多分俺の部下で遊んでる頃だと思うぞ?」 「部下“で”?」 「ああ、並外れた再生能力を持つ、不滅のシャドーってやつが俺の指揮する部隊にいるんだが、そいつを差し向けて足止めしてる。………なんだよその目は。一応俺は魔国軍密偵部隊の隊長だぞ?」 「………そう。………ユイ、良い子だから奥でラルフと遊んでてくれる?」 「………分かった………。」 「ほら、ラルフも上がって待ってて。5分で戻る。」 「う………うん。」ガタガタ 見るものを凍りつかせる笑みを顔に張り付け、ゲンガーの頭を片手で指の跡がくっきりつくほど強く掴んで転移した。 「………さて。覚悟ハイイカ?」ミシミシ 「………………まだって言ったら待ってくれたり」 「しないけど何か?」ボギィッ 「ぎゃああああ!?」 「よいしょー。」ボギィッ 「あ''あ''あ''!!」 「もいっちょー。」ボギィッ 「────っっっ!?」 「ほらほら、休んでる暇はないよー?」ゴギィッ 「☆@○▲%※●†◆★▽!!?」 「それっ!」バギィッ 「………………。」 「生きてる?………よし、脈はあるね。」 周囲を見渡して、逆関節の足と蝙蝠のような羽の生えた掌に収まるサイズの目玉を見つけ声を掛ける。 「見てるんだろ?佐藤太朗。さっさと拾いに来てやった方が良いよ。………次私の娘を狙ったら、地獄すら温いと思うほどの経験をさせるから覚悟しておけ。」 もう一度頭を鷲掴みにして引き摺り、素手で肩に杭を打ち込み適当な岩に縫い付ける。 「5分は結界で保護しておくが、それ以上は知らんぞ。………≪転移≫。」 結界を展開して、その場から転移で消えた。 「方舟、ゲート。………やー、派手にやられたねぇゲンガーきゅん?」 「うる………せ、ぇ。」 「おいおいwwwwww迎えに来たのに何よその態度wwww」
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